【全員閲覧可能】大阪アジアン映画祭に行ってみた話 byピーミキ
ウェルタイリスナーのピーミキさんから大阪アジアン映画祭へ行ったレポが届いたのですが、音声コンテンツで配信するよりも、じっくり文字として読んだほうが伝わる内容だったので、こちらで紹介をさせていただきます!
(ご本人了承済み)
日本公開して欲しい作品ばかりでしたよ!!!
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白蝶さん、Dさんお疲れ様です。
大阪アジアン映画祭に行き4本の作品を鑑賞しました。映画祭という事で演者や作り手のゲストから作品についての生のお話が聞けたので拙い感想と合わせてご報告致します。
①いばらの楽園(The Paradise of Thorns )
Itsayの監督Boss監督映画初作品。 タイで話題のドリアン映画 ジェフ、ゲン主演。Netflixで映画字幕で見たが理解できない部分が有り日本語字幕ありがとう。タイの暗い部分 同性愛 貧困 親の面倒 この映画公開後タイで同性婚が法的に求められた。この映画に参加した人は全員同性婚賛成者だったとのこと。映画祭なのでゲストがおり、この作品にはGDHのプロデューサーVanrideeさん(あとからいばら、おばあちゃん、団地の制作に関わったヒットメーカーと知る)。制作の裏話を聞くことができた。
大阪アジアン映画祭XよりVanrideeさんのQ&Aより
ーーー舞台をタイ北部(メイホンソーン)のドリアン農園にした理由は?
なぜドリアン農園なのかについてですが、主人公のパートナーが亡くなったとき、法案成立前なので財産を相続できない設定にしたのです。ただ家財道具を売るとなると簡単すぎるので、難しい状況を作り出したいと思いました。土に生えて移動できない果物の木を財産にしようと考えました。次に、どんな果物がいいかを考えたとき、その答えがドリアンだったのです。ドリアンはとても栽培が難しい果物で、タイでは果物の王様と呼ばれています。舞台となった地域はタイで最も貧しい地域なのですが、高価な果物を最も貧しい地域に植えるという点がおもしろい着眼点だと思いました。
またドリアン自体の性質については、すごくいい香りがして甘さがあると同時に臭みがあり、痛々しいトゲがあります。皮を剥いて中身を見るととても美しい。ですからドリアンが愛の痛みや美しさ、そして傷つけあうというテーマに合うと思いました。
DMDのゲン君はパヤオ県かつタイヤイ族出身で言葉もできることからジンナ役に抜擢。映画の鍵となる女性モー役のインファさんだけ最初に決まっていたらしい。トーンカム役はオーディションをし、PPも受けたそうだがスケジュールの関係上充分な役作りに費やす時間を取れないという理由で辞退。結局Jeff君に。農場仕事で汗まみれの役はJeff君で良かった。農場主(名義のみ)セークサン役Toeyさん。貧乏が故の不幸の連鎖がここにも。でもな〜セークサンがまともな人間ならみんな不幸にならなかったのでは。お母さん役のSridaさんは映画祭会期中死去。RIP
② 団地少女(Flat girls)
ボーイパコーンさん主演。しかも来日!この作品はThai Matineeの回となりタイ映画出演者スタッフが登壇。
先ず映画について。
ジラサヤー監督自身警察官の娘でかつての警察官舎で撮影。チャオプラヤー川のアイコンサイアム辺りの対岸。エレベーターは無く汚く寂れた感じの団地が舞台。ここに住むジェーンとエーンの幼馴染み。ジェーンはずっとこの官舎で暮らしたい。エーンは英語が得意でCAになり官舎を出ていきたいが殉職した父のお陰(?)ですぐ警官になれる権利を持つ。洗濯の仕事でエーンと幼い兄弟を育てるエーンの母親はジェーンの母親から借金も有り賭博に入れ込む生活から警官になれとエーンに言う。そんな中地方からバンコクに転勤してきた彼女達と一回り以上年上の警官トーンが官舎に入居。2人の距離感が揺らいでいく。誰からも頼りにされたいと思って生きてきたトーンも結局変わってしまう。この映画もタイのリアルな生活が見える。観光客な我々は見てはいけない生活。貧乏でもまじめに生きていれば報われて幸せなのではないか?と思う私は日本の中で平和ボケしてしまったのだろうか?貧乏が故の負の連鎖がここにも。
ジラサヤー監督はドラマ「one year」を監督、「ホームステイ ボクと僕の100日間」の共同脚本を経て本作で長編監督デビュー。
ジェーン役のFearyちゃんは役作りの為に5キロ増量したそうです。エーン役のearnちゃんはForth君の新曲MVに出てる花屋の子です。
団地の1階に昔父の実家=田舎に有った井戸水を汲み上げるポンプが無秩序に相当数置かれており、戸数分ポンプが有って自前で置いているのか?と思いました。聞きたかった。
③青春2001(In Youth We Trust)
この映画も(クロントイ)スラムが舞台。2001年少年刑務所。スラムで育った青年プアク(Natさん)。母親は麻薬の売人だが愛情深くプアクに充分な教育を受けさせようとしている。ある日母親の事を悪くいう男を辛抱しきれず殺してしまい、収監される。入所早々看守からただ従えば良いと殴られ、夜は夜で同室の受刑者グループのリーダー、ビア(ぺーアラックさん)たちからリンチを受ける。ビアの手下役にTopトッサポンさん(NetflixのTunnelで過去と現在を行き来する警察官役の人だとあとから知り悔しく思う)新入り、生意気などと言うだけで,はけ口として暴力を受け半殺しとなる(看守は見て見ぬふり)。そんな中別グループのゴルフとバンガットに救われ少しづつ心を開くプアク。そんなある日恋人のパー(ゴイちゃん)から母の死を知らされ、パーもプアクに別れを告げる。追い打ちをかけるようにプアクと一緒に入所した麻薬売人のバンガット(エームさん安楽死の薬剤師役)がビアグループとの抗争で命を落とす。(看守見て見ぬふり2)失うものがなくなったプアクはビアとの一対一の決闘へ。
プティポン監督はタイで大ヒットとなった4kings 4kings2(大学生の抗争話)の監督。今作品はその出演者、スタッフが再集結。
悪役のぺーさん、役が憑依してるかの迫真の演技でした。
監督の言葉「社会の汚れた面を描く監督でありたい。真似をしてほしいからではなく、汚れを洗い落とす方法を世間に伝えたいからだ」公式プログラムより。
ドヨンモヤモヤが残る映画。
舞台挨拶にNatさんエムさんTopトッサポンさん
Natさんは15日にシークレット登壇でトークした模様で先にお帰りになり残念。
④ムエタイハッスル(Muay Thai Hustle)
大阪アジアン映画祭で私が見たタイ映画はモヤモヤ考えさせられる作品が続いたのでぜひともハッピーエンドで私の映画祭を終わらせたいと願いながら見た。 セーン(カオ・ジラユ)は落ちぶれムエタイ選手。幼い頃チェンマイ動物園のパンダの檻の前で父親に捨てられた。その影響でか空想のパンダが心の友達。ある日セーンは試合で相手のタワンソン(チン·シナウット)にボコボコにされ自信を失ってだらけた生活に。そんな時寺の住職に亀の教えを受けろと予言され、「亀」を探す旅に友人と出かけるハチャメチャコメディ映画。お笑いもラブコメもホラーもルークトゥンもスポ根も全部出てくる。
カオ・ジラユの相手役にホルモンズやBoy for rentのFon Tanansachat が出演。ピアノ王子Tor・Sakshotやハリウッドのあの人も。監督自ら天才ピアニスト役で出演。
舞台挨拶に監督登壇。QAコーナーで友人が質問。
友人「キャスト選定のポイントは?」
監督「殴られた時の顔がイケメンの方がインパクトがあるから」とのことでした。友人この映画のモチーフになってるパンダのぬいちゃん貰ってました。
▶︎Thai Matineeの事
登壇ゲスト(敬称略)
『団地少女』ジラサヤー・ウォンスティン(監督)、ファティマー・デーチャワリークン(出演)、ギラナー・ピタヤゴン(出演)、ボーイ ・パコーン・チャットボリラック(出演)
『ムエタイ・ハッスル』ピン・ラムプラプルーン(監督)、ワニダー・チャットピリヤクン(プロデューサー)
『タクリー・ジェネシス』チューキアット・サックウィーラクン(監督)、ワー·ワナラット・ラッサミーラット(出演)
『おばあちゃんと僕の約束』ウサー・セームカム(出演)
『いばらの楽園』ワンルディー・ポンシッティサック(プロデューサー)、ジラ・マリクン(プロデューサー)
『青春2001』ナット・キッジャリット(出演)、トップ·トッサポン・マーイスック(出演)、エーム·ブミバット・タウォンシリ(出演)
『私たちの愛しい旅路』タパニー・ルースワン(監督)、チョンラシット・ウパニキット(プロデューサー)
映画好き、タイ映画好き、War君好きであっという間に売り切れたThai Matinee。「団地少女」上映に先駆けゲスト登壇 一言ずつご挨拶。
私は白蝶さんに教えてもらった、オペラグラスにキラキラデコを施すと舞台にいる人がキラッとする方を観てくれてオペラグラス越しに目が合う。との情報を得て早速デコったオペラを持参しマチネに挑みました。私の席は前から10席目。上手側。War君は下手側にたって真ん中のWar君ファン集団の方を見ており残念ながら目は合わず。上手側のボーイさん、ナットさん、安楽死の薬剤師役もやったエームさんと目が合いました。トップさんはあとからNetflixのTunnelの主人公だったと知り、もっと穴が開くほど見ておけば良かったと思いました。
War君は背景に挨拶したり笛を吹き出したりせずお行儀良かったです。
会場の関係者席にはなんとキンポルでキンのお兄さんを演じられたTong Tanayutさんがお出ましに!出演作無いのに!団地少女も一緒に鑑賞され映画終了後ホールの庭で希望者全員とツーショットタイム。剥がしもなく、とても丁寧に対応して頂きました。これこそ神対応でした。
今年は映画祭を関西万博に合わせて第21回として2025年8月29日(金)〜9月7日(日)(予定)にも開催するそうです。タイ映画沢山出ると良いな〜。
War君の映画「タクリージェネシス」BKの「おばあちゃん」はチケット瞬殺でGet出来ず買えた方のレポお待ちしてます。
長文失礼致しました。
ピーミキ