メイのタイ沼生活136: 「私たちNADAO(元) LOVERS」原文

WELCOMEタイ沼

2025/10/16 12:00

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先日公開されたウェルタイ「私たちNADAO(元) LOVERS」回に私が送ったテキストは長文だったため、一部省略されたものでした。

 

今回の記事では、テキストの前半Nadao Bangkokの紹介部分を掲載します!

 

(沼の会会員以外も読むことができる記事になります)

 

 

 

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今回の特集のテーマ、Nadao Bangkokを語るうえで、避けて通れないのが二つの映画制作会社、GTHとGDH 559です。まずはこの2社について、簡単に説明します。

 

GTHとGDH 559について

GTHは2004年に設立された、タイのエンターテインメント・映画史において圧倒的な存在感を放つ映画制作・配給会社です。親会社は、タイ最大手メディアグループであるGMM Grammy。

数々の国民的ヒット作品を生み出したGTHには、田舎に暮らす小学生の初恋を描いたノスタルジックな名作『フェーンチャン ぼくの恋人』(2003)、ハリウッドでリメイクされたホラー『Shutter(邦題:心霊写真)』(2004)、タイ沼でもよくカバーを耳にする25 Hoursの「Yin Dee Tee Mai Roo Jak」が主題歌の『Hello Stranger』(2010)、歴代最高収入を記録し、Mai Davikaの大出世作となったコメディーホラー『愛しのゴースト』(2013)といった代表作があります。

 

 

GTHは、才能ある若手脚本家・監督を積極的に起用し、コメディ、恋愛、ホラーを得意としながら、スタイリッシュな演出で若者から絶大な人気を集めました。しかし、2015年、株主間の意見の相違により解散。

その翌年、GTHの主要スタッフが中心となり、そのDNAを引き継いだGDH 559が設立されます。

GTHのブランド力を受け継ぎつつ、さらに国際マーケットを意識した作品を次々と公開。世界で高く評価された『Bad Genius』や、近年では日本公開されたホラー『女神の継承』、『One for the Road(プアン)』、『Lahn Mah』、『The Paradise of Thorn』など、話題作を続々と送り出しています。

 

そして、Nadao Bangkokについて

Nadao Bangkok(以下、Nadao)は、もともとGTHの映画のキャスティングを行うため2009年に設立されました。CEOは先に挙げた『フェーンチャン ぼくの恋人』の監督のひとりである、Yong監督。当時、Nadao所属俳優が出演したヒット作といえば、青春音楽映画の名作『SuckSeed』(2011)や、実話をもとにしたビジネスサクセスストーリー『The Billionaire』(2011)など。

 

ただ、アーティストの発掘とキャスティングだけでは充分な収益を上げることができず。2012年に才能ある若手俳優が活躍できる場として、全資金を投入し、ティーン向けドラマ『Hormones: The Series』の製作を開始。翌年公開するや否や、当時のティーンが直面するリアルな悩みをセンセーショナルに描いていることで大きな話題に。スポンサーも集まり、すぐに2が製作されました。

 

シーズン1に登場したのがPeach、Tor、Kao、Belle、Fon、PunpunといったNadao第一世代。そしてシーズン2・3では、Jamie James、Bank Thiti、Sky、JJ、Thanaerng(タネーン)など、次世代の俳優たちが登場。まさに若手の登竜門ともいえる作品となりました。

当時の影響力は絶大で、現在活躍する若手俳優の多くが「学生時代に『Hormones』を見て、俳優を志した」と語るほど。これが転機となり、プロダクションとしても一気に存在感を高めます。

 

 

 

その後は、色々なドラマなどを製作しつつ、(作品については、他の方にお任せします!)、東方神起、GOT7などのタイでのコンサートを製作していた4Nologue(フォーノローグ)との共同プロジェクトとして、ボーイバンドNine by Nineを結成したり、音楽部門Nadao Musicを作ったり…。

 

ちなみに、Nadao作品といえば、『I Told Sunset About You』(ITSAY)を筆頭に、映画のような映像美や作り込まれた世界観が思い浮かぶ方も多いかと。その背景には、映画畑のスタッフが作るこだわり抜いた作品作りと、規格外の制作費があり、Nadaoのドラマの多くでは、Channel 3などのゴールデンタイム作品の倍近くの制作費をかけていました。(作品紹介は、他の方にお任せします!)

 

 

そして、多くの方がご存知のように、Nadao Bangkokは2022年6月をもって、俳優のマネジメントやドラマ制作といった活動を終了。多くの所属俳優が独立したり、他の事務所に移籍しました。

 

Nadao設立当初のタイでは、「エンタメの主流といえば映画」で、ドラマはより特定の層が観るものという風潮がありました。(実際、私もタイドラマは見ないものの、映画を通じて、ある程度の俳優さんたちを認識していました。)でも今は、BLドラマやNetflixのオリジナルシリーズなど、視聴者の関心は多様化し、俳優たちの活躍の場もぐっと広がりましたよね。そんな流れの中で、解散後も元Nadaoの俳優や制作陣は、タイのエンタメシーンの第一線で活躍し続けています。これは、Nadao Bangkokが長年かけて培ってきた「作品づくりのクオリティ」と「俳優を育てる力」の賜物だと言えるのではないでしょうか。

 

とにかく、Nadaoの俳優が出ている作品は面白いものが多いので、まだ『Hormones』を観ていない人は、一度『Hormones』を観て。そのあと、俳優さんをきっかけに、きっと面白い色んな作品に出会えるはず!

そして、Nadao解散以降、俳優や製作陣が関わる作品としては、Peach、JamyJamesが主演のNetfilx Series『The Believers』(2024)と、Ud Awat主演の映画『Doi Boy』(2023)をオススメさせてください!

 

尚、GDHが保有していた株式は全てYong監督に売却され、社名をTada Entertainmentに変更。以降、アイドルのマネージメントを中心に行っており、サバ番『789 Survival』からはBUSとDICEを輩出。そして、昨年Channel One31と提携し、シリーズ『テイスト』を製作。現代版『Hormones』とも言われています。(MIXFRUIT年内で活動休止)

 

 

ちなみに、私が最初にNadao作品を見たのは、Netflixにあった『My Ambulance』(2019)。

 

2020年にNetflix タイで『2gether』を観た直後、若きBrightが出演しており、また私の大好きなナワポン監督の映画『Freelance(Heart Attack)』(2015)で主演を務めたSunnyとMai Davikaが主演ということですぐに観ました。PARIS, PEARWAHが歌う主題歌の「รักติดไซเรน(ラック・ティット・サイレーン)」を耳にした時、前年に大ヒットして街中でよく耳にしていた曲だと合点がいき、Nadaoの影響力の大きさを実感しました。ちなみにこの曲は現在2.8億回再生されています。

 

そして、その後、『Hormones The Series』を観ると、色々なタイ映画やGMMTVのドラマで見ていた俳優さんたちの顔と名前が一致していった…という次第です。

 

本題のTonhonの件(ズームイン)は、ポッドキャストの本編でお楽しみください!

ではー

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